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スマホで家計簿:手書きの良さはそのままに、手間だけ減らす
家計簿は、1904 年に日本初の女性ジャーナリストである羽仁もと子が考案した家計管理の方法です。それから 1 世紀、数えきれないほどの家計ソフトが登場しても生き残ってきたのには、ひとつの頑固な理由があります。効果があること。そして、その効果は「手で書く」ことから生まれている、ということです。
家計簿には、アプリも、銀行連携も、アルゴリズムも必要ありません。必要なのはノートとペン、そして使ったお金を書き留めるという、ささやかな行為だけです。
方法をかんたんに
月のはじめに、4 つの問いに答えます。手元にいくらあるか、いくら貯めたいか、いくら使っているか、どうすれば改善できるか。そして支出を 1 件ずつ手で記録し、昔ながらの 4 つの分類に振り分けます。
- 生活費 — 家賃、食料品、交通費など、削れないもの。
- 娯楽・嗜好 — 外食、飲み物、ちょっとした便利さ。
- 文化・教養 — 本、美術館、音楽、学び。
- 特別費 — 贈り物、修理、予想外の出費。
月末に合計を出し、その結果を正直に振り返ります。
手で書くことに意味がある
現代の家計アプリの多くは、手入力を「解決すべき問題」として扱います。銀行を連携し、取引を取り込み、自動で分類すれば、家計簿は勝手に記録されていく。たしかに便利です。でもそれは、家計簿が効いていた仕組みそのものを取り除いてしまいます。
支出を書き留めると、お金を使ってから忘れるまでの間に、2 秒の「間」が生まれます。その間こそが、働きかけのすべてです。取り込まれた取引の一覧は、覚えていればたまに見返すもの。手で書いた家計簿は、毎回気づくものです。
家計簿が細かい予算ルールにこだわらないのも、同じ理由です。問題は規律ではない、と考えているからです。問題は、ただ見ていなかったこと。
ノートなしで続けるには
ノートが神聖なわけではありません。大切なのは「気づく」ことです。同じ条件を守ってくれるアプリなら、スマホでも十分に続けられます。
- 自分で入力する。 銀行連携があると、あの「間」が消えてしまいます。
- 数分ではなく数秒で終わる。 記録が宿題のように感じたら、やめてしまいます。家計アプリをダウンロードした人のおよそ 70% が、1 か月以内に使わなくなるといわれています。
- 責め立てない。 家計簿には赤字の「予算オーバー」画面はありません。その場の罪悪感ではなく、月末の振り返りです。
- 記録はあなたのもの。 紙の家計簿には、サブスクもアカウントもプライバシーポリシーもありません。デジタルでも同じであるべきです。
分類は少なめに
昔ながらの 4 分類は、あえて大まかにできています。最近のアプリは何十ものカテゴリと果てしないサブカテゴリを用意していて、一見ていねいですが、レジの列でコーヒー代を記録しようとした瞬間に、決断疲れを生むだけです。
自分でちゃんと見分けられる 4〜6 個のカテゴリから始めましょう。分けるのは後からでもできます。続けられる家計簿は、挫折した完璧な分類に勝ります。
このアプリの立ち位置
Boring Expenses は、グラフのついた家計簿ノートに近いものです。支出は 1 件ずつ 2 秒ほどで自分で入力し、銀行には一切触れず、残高も赤字の合計も表示せず、記録は私たちではなくあなたの iCloud に残ります。無料で、週・月・年のグラフは自動で描いてくれます。家計簿で自動化する価値があるのは、計算の部分であって、気づく部分ではないからです。
とはいえ、ノートもまだまだ現役です。気に入っている一冊があるなら、ぜひそのまま使い続けてください。